佐野市の伝統工芸品

天明鋳物

天慶年間(938〜947年)に河内国(現 大阪市堺市付近)から5人の鋳物師が移住し、藤原秀郷の命で兵器類を鋳造したのが始まりとの説もあり、「和漢三才図解」(江戸時代刊行)には、「関東の天明釜を以て良と為す」と記されました。まちなかにはその歴史を今に伝える仏像、大鐘、モニュメント、鋳造所が点在しています。

飛駒和紙

飛駒拘の和紙は江戸時代、桐生川の上流、入飛駒(現桐生市)から伝わったもの。自生の楮(こうぞ)から漉いた飛駒産の生紙は、色は少々黒いが丈夫で長持ちと評判で「飛駒八寸」と呼ばれて古来、障子紙や大福帳に愛用された伝統があります。

雛人形

春の香りをほのかに伝える伝統の雛人形。
女の子の初節句に、健やかな成長と美しい娘に育てようという願いを込めて、家族や友人でお祝いをするのがひな祭りの習わしです。木製黒塗段には、鮮やかな絵や金の蒔絵がほどこされ、より豪華に、モダンになってきています。

節句人形

勇壮さと魔を打ち払う力強さを見ている者にヒシッと感じさせる節句人形の人気は、子を育む親心の表われではないかと言われています。端午の節句の際には、ぜひお買い求め下さい。

節句掛軸

節句用飾り物として全国で佐野だけが生産している特産品であり、長い歴史があります。男の子が生まれると武者絵(加藤清正、那須与一等)、女の子が生まれると藤娘や汐汲等の絵柄の掛軸を子どもが健やかに、幸せになるようにと祈り、魔よけとして贈る風習が増えてきました。

羽子板

佐野の代表的な際物、羽子板は、優雅なたたずまいと、おだやかな色合いで根強い人気を保っております。特に、女性には大変人気があり、ケ-スに入って場所をとらないことも特色の一つといえそうです。

土鈴

創業当時は、盆景道具の製造を手がけ、昭和に入って下野達麿百態、戦後は観光ブ-ムに乗り土鈴・土笛の製作に没頭、特に当店の土鈴は、多治見市産の粘土を原料とし、成型は一つひとつ石膏型に指で押し込み、心をこめて作り上げます。これを松薪で13時間、1,000℃の高温で焼き上げます。窯出しした土鈴は、顔料・エナメル・ニス等で最高20色も使い、一つひとつ念入りに彩色しております。平成6年には、栃木県伝統工芸品に指定され、その清らかな音色は、魔を払い、幸せを招きます。

桐製品

森林資源、静寂と清流、寒暖差の恵みによって培われ、育てられた良質の桐材を得て、伝統と緻密を誇る匠(たくみ)は、桐肌の持つ独特の木目と光沢の美しさをいかし、使い勝手はもちろん、現代人の感覚にもマッチし、意匠にも優れた数々の逸品を作り上げます。祖父から母へ、母から子へ、子から孫へ受け継がれ、時代を過ぎる毎に味わいを増して、優しく懐かしい光沢を放つ桐製品は、手に触れて温みのある宝物です。

粘土瓦

光沢、気品、耐久性で知られる「野州瓦」は日光東照宮造営の瓦職人がよい粘土を産出する当地に伝えた「いぶし瓦」で、特に気品を貴ぶため鬼瓦に鬼面をつけず、「水」字の紋様など火災除けの印を刻む鬼板となっており、都内はじめ関東各地から和風建築要材として好評を博しています。

その他

佐野市観光協会「推薦優良土産品」